今回はプロ野球の先発投手のタイトルの中で、最も栄えある賞、そして最も獲得するのが難しい賞である、「沢村賞」について書いていきたいと思います。
沢村賞の沢村の由来は?
皆さん沢村栄治氏をご存知でしょうか?
戦前のプロ野球界において、剛速球でその名を馳せた巨人軍の先発完投型投手が沢村栄治氏でした。しかし残念なことに戦争で命を落としてしまいます。そこで沢村氏の栄誉と功績を称えて、先発完投型の素晴らしい成績を収めた投手に贈る「沢村賞」という賞を設けたのです。
沢村賞の基準となる7項目について
まず沢村賞を獲得するためには、基準となる7項目が存在し、先発完投型の投手が対象になります。そこで個人的な項目ごとの難易度をランク分けしてみました。ランクは特A~Cで特Aが最も難しいです。
・登板試合数25試合以上 難易度:B
・完投試合数10試合以上 難易度:特A
・勝利数15勝以上 難易度:A
・勝率6割以上 難易度:A
・投球回数200イニング以上 難易度:特A
・奪三振150個以上 難易度:A
・防御率2.50以下 難易度:特A
このランク付けはあくまで、私個人の考え方ですが、おおかた間違いではないと思います。見て頂けたら分かるように、非常に難易度の高い項目となっているのが分かります。
特に困難極まりないのが、完投数10試合以上、投球回数200イニング以上、防御率2.50以下でしょう。
完投数については、現代は投手分業制が主です。先発、中継ぎ、抑えを充実させてこそ、チーム力の向上につながるという考え方や、肩や肘は消耗品のため、無理をして完投させないケースが多いからです。
投球回数200イニング以上は、1年間怪我をしないで投げ続けないと達成するのが難しいイニング数です。これは素人から見ると案外簡単そうに見えますが、1年間先発ローテーションを守り抜くというのは、並大抵のことではありません。
防御率2.50以下というのも、非常に難しい数字ですね。バッターの技術向上が顕著な現代野球では、2点台後半でも十分にエース級の数字です。
これらの項目を参考にし、どれだけ基準を達成しているかなどを踏まえ、沢村賞選考委員会によって原則的には12球団から1名が選出されます。年によっては、該当なしという年もある、極めて受賞するのが難しい賞といえますね。
最近の受賞者
カープの前田投手、ソフトバンクの摂津投手、楽天の田中投手(2011,2013年)が受賞しており、2014年はオリックスバファローズの金子投手が受賞しましたね。
金子投手は2013年も快投を続け、7項目をすべてクリアした成績を収めながら、沢村賞は受賞出来ませんでした。そう、田中投手がとんでもない記録を出したからです。まだ記憶に新しい、24勝0敗という、これマンガよりすげえわという記録です。
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そういったことも乗り越えて、今年も安定したピッチングを続け、沢村賞に輝いた金子投手には心からおめでとうと言いたいですね。
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